国民年金を滞納したら?延滞金や差押えの仕組み 払えないときの対処法

国民年金の納付率は6割程度と言われています。これを言い換えれば4割り近くの人が未納・滞納しているということになります。しっかりと年金を払っていければ問題はないのですが、失業などで支払いが困難になったときにどうすればいいのでしょうか?未納・滞納を続けていると財産が差し押さえられ、強制的に徴収される可能性もあります。また延滞金が発生するケースもあります。未納率を下げるために政府も対応を厳しくしています。ここでは差押えまでの仕組みや、どうしても払えないときの対応・対策についてもまとめていきます。

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国民年金の保険料を滞納した時は

「特別催告状」が最初に送られてくる

自営業者とその家族、退職者などの個人、学生らが加入する国民年金に関し、厚生労働省によると、被保険者が納めるべき納付率は2016年度には65%となりました。ただし、低所得などで保険料の免除や猶予を受ける人を除くと実質的な納付率は40.5%にとどまり、まだまだ高い納付率とはいえません。

会社員が加入する厚生年金は給料から毎月の保険料を天引きされるので国民年金より納付率は高いです。一方で、国民年金は年金事務所から納付書が送られてきて個人で支払う仕組みなので、払い忘れも起こりえます。保険料を支払っていないと、年金事務所からまずは「特別催促状」が送付されてきます。

「特別催促状」の内容

財産の差し押さえなどの文字が並んでおり、少し怖い印象を受けますが、自主的に保険料を納付することを促すことが目的です。保険料の未納月数は7ヶ月〜1年半程度を対象に届きます。1回目で納付や免除申請の手続きをするなど対応できるれば問題はないのですが、何かしらの対応を取らない場合は複数回にわたり特別督促状が届くことになります。

国民年金の保険料を払っていない場合は以下の段階を踏んで最終的な財産の差し押さえになります。

☑ 1. 電話や訪問での督促
☑ 2. 特別催促状
☑ 3. 最終催促状
☑ 4. 督促状
☑ 5. 差押予告
☑ 6. 差し押さえ

「最終催告状」が送られてくる

国民年金保険料の未払いが1年7ヶ月後〜2年ぐらいに及ぶと、「最終催促状」が送付されてきます。この段階では強制的に取立てされる段階ではありませんが、差し押さえの一歩手前です。つまり最終通告となり、自主的な保険料納付を促すための最後の通知です。それと同時に記載されている期日までに支払いをしないと、法に定める滞納処分が開始されることを意味します。

うっかり払い忘れしていたケースもありますので、法的にはあくまで「お知らせ」の扱いです。最終催促状に書かれている期限までに支払いをすれば大事になることはありません。しかし期限までに支払いをしなかった場合は、納付を督促する文書が追送されます。

最終催促状を無視すると…?

国民保険料の支払い意志がないものと日本年金機構はみなし、今後の対応は大きく変わります。滞納処分については銀行口座などからの財産から強制的に徴収されるといった「督促」になるということです。

日本年金機構が最終催促状を送付する対象は、年金保険料を支払う能力は有しているにもかかわらず、度重なる催促に応じていない人です。厚生労働省が発表した資料によると、2016年4月〜2017年2月までに最終催促状が送られたのは8万5098件でした。

「督促状」が送られてくる

最終催告状も放置していると個人の所得が調査され、結果として保険料を「支払う」能力を有していると判断され、「督促状」が送付されてきます。滞納を始めてから2年7ヶ月後〜3年くらいで、この督促という状態になります。保険料に延滞料は発生しますが、督促状に記させている期限までに完納すれば、延滞料金は発生しません。

通常は保険料の支払いは2年が期限となっており、この間に支払いがないと時効になりますが、督促状が届くとそのタイミングで時効が中断され延滞金が増え続ける形となります。延滞金にかかる利率は年14.9%になります。例えば平成29年度(2017年)の国民年金保険料が16,490円ですので、この金額で1年間滞納した場合に利率を含めて、いくら支払わなければならないのかをみていきます。

☑ 16,490円の保険料を1年間滞納した場合
☑ 月の保険料16,490円×12ヶ月=197,880円となります。
☑ ここに延滞金である14.6%をかけると、197880円×14.6%=28,890円

延滞金だけでも3万円近い金額が発生する結果となります。

「差押予告通知書」が送られてくる

日本年金機構から送付された督促状に記載された期日までに保険料を支払わなかったり、年金事務所に支払いの連絡をしなかった場合は、年金事務所から委託された民間業者が催促を受ける形となります。「差押予告通知書」は銀行口座などの財産を差し押さえる前に送られる通知書のことです。差押予告通知書が手元に届いた時点で、同居している家族の資産状況も調査されています。

差し押さえが実施される

最終催告状から段階的に厳しくなる書状を無視していると、いよいよ差押さえが実施されます。給料からは手取りの1/4まで、33万円を超える部分は全額を強制的に徴収されます。また銀行預金や自動車といった財産も差押さえの対象となります。生活用品(冷蔵庫、洗濯機、ふとん等)は差し押さえられませんが、個人やその家族の資産状況をしっかり調査されていますので、財産を隠すことは難しいです。

本人及びその家族などの連帯納付義務者からは以下の財産が差押さえの対象となります。

☑ 預貯金
☑ 売掛金
☑ 給与
☑ 生命保険などの解約金
☑ 自動車
☑ 不動産、など

困った時の年金対策

早い段階で年金事務所に連絡して相談

国民年金保険料を滞納しているが、支払いが困難な状況の時には早い段階で年金事務所に連絡して相談して下さい。例えば失業中で収入が途絶えている時などがこういった状況にあたります。相談するときに大切なのは「納付する意思」です。なぜ支払いが難しいのか、きちんと丁寧に説明して下さい。相談する時に感情的になるのは好ましくありません。年金事務所か役所の年金課に行く時に必要な持ち物を下記にて確認してください。

☑ 年金手帳
☑ 基礎年金番号通知書
☑ その他希望する免除によって給料明細、銀行の預金通帳など

毎月支払える金額を相談して決める「分割納付」

滞納していた国民年金保険料を一括で支払うのは金額も大きくなり、負担が重くなります。ここで自分自身の支払能力と照らし合わせて、保険料を分割で納付することを考えてもよいでしょう。未納期間については2年前まで遡って納付することができますので、年金事務所に現状を相談しながら無理せずに支払いを進めてください。

「支払い一部免除」または「全額免除」

急なリストラ等の失業や本人・世帯主・配偶者の前年所得が一定以下の場合において、経済的に年金保険料の支払いが困難のときには「支払い一部免除」または「全額免除」される場合があります。本人から申請書を提出する必要はありますが、申請後に承認されれば免除になります。

免除の適用条件は申請者やその家族の前年度所得(1月から6月までに申請した場合は前々度所得)が判断基準となります。免除は下記の4種類があります。

☑ 全額免除 (扶養の数+1)×35万円+22万円
☑ 3/4免除 78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
☑ 1/2免除 118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
☑ 1/4免除 158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

免除の条件は異なってきますので、年金事務所あるいは、役所の年金課に相談してください。また日本年金機構の関連リンクが下記にありますので、ぜひご参考にしてください。

保険料の支払いを先に延ばす「納付猶予」

収入の減少や学生で収入がない時には保険料の支払いを先延ばしできる「納付猶予」を受けることができます。下記の条件を満たす人は、納付猶予を利用できます。

本人が働いている場合

☑ 年齢が20歳〜50歳未満
☑ 本人と配偶者の前年所得が57万円以下

本人が失業している場合

☑ 年齢が20歳〜50歳未満
☑ 配偶者の前年所得が57万円以下

保険料の免除や納付猶予を受けると、将来にあなたが受給できる年金額が少なくなってしまいます。ただし、追納といって保険料の納付が難しい期間を後から追って支払うことができます。追納可能は、承認を受けた月以前の10年間の保険料です。追納することで将来にもらえる年金額を減らさないで済みます。

国民年金の保険料徴収の現状

年間所得によって強制徴収の対象あり

国民年金保険料の強制徴収は現在、年間所得が350万円以上で滞納期間は13ヶ月以上を対象にしています。しかし厚生労働省と日本年金機構は2018年度からは国民年金の未納金を強制的に徴収する対象者を年間所得350万円以上から、300万円以上に拡大する方針であることを発表しています。対象とする未納月は現行の7ヶ月から13ヶ月以上に変更となり、対象者が増加することになりそうです。

強制徴収ルールは年々と厳しくなっています。基準となる年間所得額の引き下げはもちろんのこと、未納期間も7ヶ月に短縮しています。対象者もおよそ27万人から36万人程度まで増えるといわれています。未納者の強制徴収の拡大は、公的年金の公平性という観点から対応を強化することが狙いだといわれています。

申請すれば支払いの一部または全額免除される可能性

厚生労働省は国民年金保険料の未納率を下げるために、強制徴収の対象者を年々と拡大しています。これは公的年金という国民全員が負担しなければいけない義務に反しているうえ、納税の公平性を重視していると考えられます。

しかし厚生労働委員会で明らかとなったのは、現在滞納している人の9割が所得が低く、保険料を支払いが難しい状況に落ちっています。言い換えれば1割程度しか年金保険料を支払えないということです。ただし所得が低いからといって国民年金を未納・滞納しているうえ、再三にわたり督促を無視している状態であれば法的に強制的に取り立てになります。そうならないためにも、所得が低いなどの理由を添えて申請すれば、保険料の支払いを一部または全額免除される可能性が高いということです。

延滞金について

督促状に記載されている期限までに国民年金の保険料を納付しなかった場合は、年率3.8%〜14.6%の延滞金を徴収されることになります。

☑ 延滞している保険料(1000円未満は切り捨て)× 年率3.8%〜14.6% ÷ 365 × 延滞日数

本来の支払期日の翌日から3ヶ月以内の利率は3.8%となり、それ以降は14.6%になります。また延滞日数とは、本来の支払期日の翌日から滞納分を完済する前日までのことです。

日本年金機構
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国民年金の保険料の滞納は早めの対策を

本来なら国民年金の保険料は国民の納付義務であるため納付しなければいけません。高齢化が急速に進むなか保険料も年々と引き上げられています。月々の負担額は小さくありません。失業や病気などで働くのが難しく所得が低い人にとっては、保険料の支払は大きな負担になります。負担が大きいからといって、滞納するのは良くないことです。

未納者に対して年金機構の対応も厳しくなっています。国民年金の保険料は滞納は好ましくないことです。万が一、年金を納付するのが難しい場合は、年金事務所になぜ困難なのかを相談しましょう。早めの対策が必要となってきます。国民年金は老後の生活を支える柱なので、しっかりと納付することが大事です。

公認会計士・税理士 伊藤 温志

開業8年で600社ものクライアントを有するエクセライク会計事務所の代表税理士。
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