社会保険と健康保険の違い。国民健康保険に切り替えるときの対応

会社を退職する際、切り替えの手続きに悩む健康保険。社会保険と国民健康保険の違いがわからないと、どちらを選ぶか決められませんよね。この記事では、社会保険から国民健康保険への切り替えの手続きや、扶養に入るための条件を紹介します。

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社会保険の特徴

給料をもらっている人が加入する保険制度

社会保険は、一般的に法人企業に勤務し給料をもらっている会社員が加入する保険制度です。また、従業員が5人以上の個人事業の従業員も加入対象となっています。つまり、会社に勤める従業員とその家族が加入できる健康保険が社会保険なのです。

正社員や正社員並みの労働契約の人が加入対象

会社勤めの人の中でも、加入対象になる条件があります。労働時間が基準となるため、正社員以外のアルバイトやパートといった勤務形態でも、正社員の3/4以上勤務している場合は社会保険の加入対象になります。逆に、一定の勤務時間に達しない場合は加入することができません。

社会保険とは、国民の生活を保障する目的で設けられた公的な保険で、以下の二つに大きく分けられます。

社会生活上のリスクを保証する社会保険

◼ 1.健康保険(医療保険)
◼ 2.年金保険(厚生年金保険)
◼ 3.介護保険

労働上のリスクを保証する社会保険

◼ 1.雇用保険
◼ 2.労災保険

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保険料は年齢や収入で計算される

社会保険料は、被保険者である期間の毎月の給料から天引きされます。この保険料は、以下の計算方法で決められます。

◼ 健康保険料=標準報酬月額×健康保険料率
◼ 厚生年金保険料=標準報酬月額×厚生年金保険料率

また、日本年金機構や健康保険協会から会社に送付される「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」を使えば、計算をする必要はありません。標準報酬月額と、それに対する社会保険料額が一覧になっているため、標準報酬月額が分かっていれば保険料も分かります。

標準報酬月額を決めるためには、基礎となる「報酬月額」を計算しなければなりません。ここでは以下のものが報酬の対象になります。

現金で支給されるもの

◼ 基本給
◼ 諸手当(残業手当、通勤手当など)
◼ ボーナス等(年4回以上支給されるもの)

現物で支給されるもの

◼ 食事、食券など
◼ 社宅、独身寮など
◼ 通勤定期券、回数券
◼ 被服(勤務服でないもの)
◼ 給与としての自社製品など

該当する年齢から介護保険料が加算される

介護保険制度に基づいて、該当する年齢からは社会保険の中に介護保険料も加算されます。介護保険制度とは、介護が必要な高齢者を社会全体で支える仕組みであり、税金や高齢者の介護保険料のほか、40歳から64歳までの健康保険の加入者の介護保険料などにより支えられている制度です。

介護保険料は、満40歳に達したときより徴収が始まり、健康保険料と一緒に納めることになります。
また、満65歳に達したときより徴収されなくなりますが、65歳以降はお住いの市区町村から介護保険料が徴収されることになります。
介護保険と健康保険が切り離されて、毎月の年金収入から天引きされる形に変わるのです。

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社会保険と国民健康保険の違い

国民健康保険は扶養の概念がない

会社に勤めている夫の妻とその子供たちなど、収入面で家族の誰かに支えられている人を扶養家族といいます。
会社などの社会保険に加入していると、年収が130万以内の家族や親族を扶養することで、加入者1名分の保険料で人数分の保険証がもらえます。
しかし、国民健康保険の場合は、扶養という概念がありません。

国民健康保険に家族で加入するとどうなるのでしょうか。国民健康保険の場合、世帯内の加入者数で保険料が決定します。
それに加え、加入者の年収の合計をもとに保険料を算出することになります。そのため、世帯年収が高く、加入人数が多いほど保険料は高くなるのです。

社会保険は親族を扶養にできる

社会保険は、認定範囲内であれば親族を扶養にできます。ただ、親族であれば誰でもいいわけではありません。配偶者と3親等以内の親族が対象となります。所得税と異なり、法律的な親族ではない内縁関係の配偶者やその父母、子供も扶養の対象にすることが出来ます。

ただし年齢制限があり、扶養の対象となるのは75歳未満の者と限られています。75歳以上になると、後期高齢者医療制度により、その本人が単独で健康保険に加入する必要があるからです。

また配偶者、子、兄弟姉妹、直系尊属は同居が要件とはされませんが、それ以外の親族は同居が要件となります。

被扶養者になるためには、上記に加えて収入の面でも条件があります。

同居している場合は、年収が130万円未満かつ被保険者の年収の半分未満の場合であれば被扶養者になれます。
ただし、60歳以上の人や障害厚生年金に該当する人は年収180万円未満が条件となります。
また、仮に被保険者の年収の半分以上の収入でも、130万円未満で被保険者の収入を上回らなければ被扶養者に該当します。

同居していない場合は、年収130万円未満かつ被保険者から受けている援助の合計額よりも年収が少ないことが扶養に入る条件になります。

社会保険は扶養人数で保険料が変わらない

扶養家族が増えたとき、社会保険料も増えるのではないかと不安な人もいるのではないでしょうか。社会保険の場合、扶養家族がどれだけ増えても保険料に影響はありません。
会社で加入しているので、会社からもらっている給与額のみ算出されます。そのため、家族の有無やその数で保険料が変わることはないのです。
ちなみに、65歳未満で108万円以下、65歳以上で158万円以下かつ扶養の実態があるならば、扶養控除の対象にもなります。

社会保険料は被保険者と会社で折半する

会社員が加入する社会保険制度は、会社と会社員が保険料を折半することになっています。健康保険料と厚生年金保険料は折半ですが、雇用保険は会社側の負担が重くなっています。

健康保険

健康保険料率は8.2%(40歳以上は介護保険にも加入するので9.33%)です。4月5月6月の給与を平均した額にこの料率を掛け、さらに1/2した金額が会社員が負担する金額になります。会社によっては組合健康保険に加入している場合もあり、その場合は保険料は異なります。

◼天引きされる保険料の例 【月収20万円×8.2%÷2=8,200円】

厚生年金保険

健康保険同様に4月5月6月の給与を平均した額をもとに計算されています。厚生年金保険料率は15.35%です。給与明細では厚生年金保険料として保険料が控除されていますが、会社員は厚生年金保険と国民年金保険の2つの制度に加入しています。この保険料は毎年引き上げられます。

◼天引きされる保険料の例 【月収20万円×15.35%÷2=15,350円】

雇用保険

雇用保険の保険料率は1.5%です。その内訳は会社側が0.9%、会社員が0.6%です。雇用保険は、毎月の給与に料率をかけて差し引かれます。

◼天引きされる保険料の例 【月収20万円×0.6%=1,200円】

国民健康保険は自身で全額負担する

社会保険の場合、扶養家族が何人いても保険料は変わりません。しかし、国民健康保険の場合は扶養という概念がないため、保険の加入者全員に保険料がかかってきます。国民健康保険は、前年の所得を元に保険料が算出されます。そのため、会社を辞めて起業し収入が安定する前に国民健康保険に切り替えた場合などには、保険料が大きな負担となります。

国民健康保険の保険料は、均等割と所得割で構成されています。例えば東京都では、均等割として加入している人数分の保険料に加えて所得割も加算されるため、保険料の負担が大きく増えるのです。

社会保険の扶養になる条件

厚生年金に加入していない配偶者

社会保険の扶養になるための条件として、厚生年金に加入していない配偶者であるということがあります。厚生年金の上での被扶養者の条件は「満20歳以上60歳未満の配偶者」であることに限定されます。配偶者であることに加え、年齢も限定されていることに注意しましょう。

年間の収入が130万円未満

扶養になるためには、収入面でも条件があります。被扶養者の収入が年間で130万円未満であること、もしくは60歳以上か障害年金受給者で年間の収入が180万円未満であることです。

また、扶養者の収入を中心に生計を維持していることも条件になります。全国健康保険協会の定義では、「主として被保険者に生計を維持されている人」「被保険者の収入により生計を維持されている」ことで被扶養者になれるといわれています。つまり、130万円または180万円未満の年収であったとしても、その収入を中心に生計を立てている場合は被扶養者にはなれないのです。誰の収入で生計を維持しているかは、以下の基準で判断されます。

◼同居している場合:収入が被保険者の収入の半分未満
◼同居していない場合:収入が被保険者からの仕送り未満

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社会保険から国民健康保険の切り替え

会社が社会保険の資格喪失手続きを行う

仕事を退職すると、同時に会社の社会保険から抜けることになります。退社する際には、扶養している家族の分も含めた健康保険証を会社に返却しましょう。

社会保険から国民健康保険へ切り替える場合、社会保険の資格喪失届は会社側が行ってくれます。会社が行うのは、「健康保険 厚生年金保険 被保険者資格喪失届」を日本年金機構に提出する手続きです。

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社会保険の資格喪失日は退職日翌日になる

気を付けなくてはならないのが、退職日の翌日から健康保険を含む社会保険の資格を喪失するということです。
被保険者はもちろん、扶養している家族の分の健康保険証も使えなくなるため、早めに国民健康保険への切り替えを行わなくてはなりません。
資格を喪失している期間に病院などの医療機関を受診すると、医療費を全額負担することになってしまいます。

また、資格損失後に健康保険証を返却せずに使用した場合は、のちに医療費を返還することになります。

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被保険者が国民健康保険の手続きを行う

退職して社会保険を脱退したあとは、国民健康保険に加入しなくてはなりません。被保険者資格喪失届の提出は会社側がやってくれますが、国民健康保険への切り替え手続きは被保険者が自身で行うことになります。お住いの市区町村の窓口へ行き、早めに手続きをしましょう。

社会保険の切り替えは速やかに行おう

会社を退職して社会保険を脱退したあとは、国民健康保険へ加入する必要があります。会社側が行ってくれる手続きと、自分で行わなくてはならない手続きを覚えておきましょう。
退職日の翌日からはそれまでの会社の健康保険証を使えなくなるため、早めに切り替え手続きを行わなくてはなりません。

また、国民健康保険の保険料は全額自分で負担しなくてはなりませんが、収入が少ない場合であれば家族の社会保険の扶養に入るという選択肢もあります。

公認会計士・税理士 伊藤 温志

開業8年で600社ものクライアントを有するエクセライク会計事務所の代表税理士。
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