失業手当を得つつ扶養に入れるか。2種類の扶養について知るべきこと

失業手当を受給しながら扶養に入れるのか、退職したら知りたいところですよね。実は一概に扶養といっていますが、2種類の扶養があり、それぞれ扶養に入るための要件が異なります。保険料の支払免除や税の減額が受けられるか、ポイントを見ていきましょう。

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失業手当扶養に入るタイミングについて

扶養申請時点から将来に向けて年収130万円未満

健康保険の扶養は一定の収入以下の人が入ることができます。その条件とは、扶養申請時点から将来に向けて年収が130万円未満となることです。よく前年の収入が130万円未満だからと勘違いする人がいますが、前年のものではなく、現時点から将来に向けて年収130万円未満です。

そしてもう一つポイントとなるのが、これは給与収入だけではないということ。年金や雇用保険の失業手当、出産手当金や疾病手当金なども含まれます。ここを勘違いしないように注意が必要です。

失業手当についてですが、受給中は扶養に入ることができません。しかし、会社都合ではなく自己都合退職の場合は3ヶ月間の待機期間(申請してから3ヶ月間は失業手当を受けることができない)がありますよね。その間は扶養に入ることができます。受給が始まれば扶養から抜けなければならないので、手続きを忘れないようにしてください。

給与収入1月から12月まで合計103万円以下

よく扶養の「103万円の壁」という言葉を耳にすると思います。これは給与所得が103万円以内なら、税法上の扶養に入ることができ、税が減額されるというものです。これが税法上の扶養です。

退職した後に特別な手続きをする必要はありません。年末調整時に扶養者の申請書類に名前を記入してもらうことで扶養控除を受けられます。

まず、税法上の扶養に入る要件ですが、年間の合計所得が38万円(給与所得なら103万円)となる必要があります。給与所得の103万円の意味ですが、給与所得における65万円の所得控除を念頭においた金額のことです。38万円(基礎控除)+65万円(給与所得控除)=103万円となります。

この103万円の中には、失業手当や交通費などは含まれません。つまり、退職するまでのパートなどの給与収入が、1月から計算して合計103万円以下の場合は、迷わず税法上の扶養に入ることができるのです。

失業保険受給中に扶養に入ることは出来るのか

2種類の扶養

扶養には2種類あります。健康保険上の扶養と、税法上の扶養です。それぞれ内容も違えば、扶養に入るための要件も違うので注意が必要になります。

まず健康保険上の扶養ですが、扶養に入ることで保険料の支払いの免除を受けることができます。健康保険の扶養に入る場合は、被扶養者は保険に入る時点で将来に向けて収入がいくらくらいになるのか、見込額を申告しなければなりません。

次に税法上の扶養ですが、扶養控除に関わってきます。扶養に入ることで税額が減額されます。そのため対象となるなら扶養となったほうがメリットがあります。

失業保険中に扶養に入る

失業保険中に扶養に入ることはできるのでしょうか。答えはイエスです。退職後に、必要な書類を用意してください。

必要な書類は手続きの申込用紙である扶養異動届、退職証明書や離職票などの退職日のわかる書類、雇用保険受給資格者証、マイナンバーがわかるもの、免許証やパスポートなどの本人確認資料です。また、国民年金の扶養に入る場合には基礎年金番号が必要になります。

配偶者の扶養に入る場合には、国民年金の扶養にも入ることができ、国民年金保険料の負担が軽減されるので手続きをするとよいでしょう。

自己都合退職の場合など、失業手当をもらえるまでの待機期間が3ヶ月ほどあります(給付制限期間)。その短い間でも扶養に入ることは可能です。

書類を多く集めなければならないため、面倒になってしまうかもしれませんが、配偶者などの扶養に入ることができるのならば国民保険や国民年金に入って保険料を払うよりも安くすみます。手続きをしておくとよいですね。その場合は失業手当をもらい始めたら健康保険の扶養から外れる必要が出てきます。

健康保険に加入するための要件

健康保険に加入するためには、扶養者の会社を通じて書類を提出しますが、その書類に扶養に入る時点での、将来に向けての収入見込額を記載する欄があります。そしてそれがとても重要です。

年間収入130万円未満の場合に、扶養に入ることができます。しかし、この130万円には失業手当や年金、出産手当金や疾病手当金、交通費なども含まれます。また60歳以上の被扶養者や、被扶養者が障害を持っている場合は年間収入180万円未満までとなります。

そして、扶養者と同居の場合には、収入が扶養者の収入の半分未満であること。そして非同居の場合には、収入が扶養者からの仕送りの金額未満。これが前提条件となります。

そして申請時に130万円未満が見込みで扶養には入れたとしても、途中で年間収入が増えて130万円以上になった場合には、扶養から外れる手続きをしなければなりません。

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国民年金第3号被保険者となる為の要件

まず国民年金第3号被保険者になる為の要件ですが、20歳以上60歳未満であること、第2号被保険者に扶養されている配偶者であること、本人の保険料負担がない、この3点です。

第3号被保険者は、配偶者が厚生年金保険に加入することで、国民年金へ加入することができるのです。保険料が免除されており、保険料を負担しなくても老齢基礎年金を受けることができます。

被扶養者配偶者と認定される130万円を超える収入が見込まれた場合や、扶養者が会社を退職するなどして第2号被保険者から外れた場合などは第3号被保険者から外れることになります。

税の扶養

税の扶養とは、所得税・住民税を安くするための扶養のことです。配偶者控除と配偶者特別控除、それに配偶者以外の親族が対象になる扶養控除もあります。原則として、扶養者と被扶養者は同居している必要がありますが、生計を一にしている場合は扶養となることができます。

退職した年の1月から12月までの収入が少ない場合に扶養となることができます。条件は、103万円以下の場合です。交通費や、失業保険からもらうお金は含まれません。

どのようにすれば税負担を軽減することができるか。方法ですが、扶養者が年末調整の際に提出する書類に名前を書き込んでもらうだけです。年末調整の扶養控除といったほうがわかる人も多いかもしれません。

税控除額ですが、配偶者控除は一律38万円(70再以上の場合は48万円)です。配偶者特別控除の場合は所得により金額が変わります。年末調整のときに書き込む用紙を見ると、控除額の表が記載されていますので、金額が知りたい場合にはそちらで確認しましょう。

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失業手当扶養に入れない

健康保険に入れない

対象となる家族は配偶者と3親等内の親族です。それ以外の親族の扶養には入ることができません。また同居しているかどうかも要件のひとつです。同居していない兄姉の扶養に入ることはできません。

また130万円の壁についてですが、申請した時点からの将来の見込み収入が130万円未満だとしても、健康保険上の扶養に入れない場合もあります。気をつけなければならないのは、130万円未満という数字は、給与収入のみならず交通費や失業手当も含まれるということです。

月額でいうと、1,300,000÷12なので108,333円。日額だと3,612円以上だと扶養には入れません。そのため、収入がなかったとしても失業保険の給付が日額3,612円以上もらえるようなら、扶養には入れないことになります。

また失業保険とは、現在就職していないけれど将来的に仕事を探して職に就くことを前提としている人に与えられることになっています。そのため失業手当受給中は、たとえ130万円未満だとしても扶養に入ることはできません。

失業したのに扶養に入れない

失業したのに扶養に入ることができないケースがいくつかあります。

それは保険の扶養と税法上の扶養それぞれの要件を満たしていない場合と、失業保険を受給している間です。失業して一番苦しいときなので保険の扶養に入りたいものですが、失業保険は仕事を探していて将来仕事につく人に向けて出る手当となっているため、受給中は入ることができません。

ただし待機期間と、受給後に要件を満たしているようなら入ることができます。扶養に入ったり、出たりと申請手続きが大変ですが、優遇される金額は少なくないので入るとよいでしょう。

間違えて夫などの扶養に入ってしまって後で発覚した場合、実は無保険だったということになるので後で督促を受けたりします。年金支払いの督促も来ますので、間違えずに手続きを行ってください。

税金に関する扶養は年間103万円

扶養に関する要件は保険の扶養と、税の扶養でそれぞれ異なります。健康保険は130万円の壁がありますが、税に関する扶養はさらに厳しく年間103万円以下でないと入れません。

パートで働いている人などが、「扶養から抜けたくないので、年間103万円以下で仕事をしたいです」などと言うときには、この税法上の扶養を指しています。

また、税法上の扶養は、保険の扶養と異なり退職後すぐに申請をするような面倒な手続きはありません。年末調整の時期に、扶養者の申請書類に氏名を記入してもらうだけです。

この103万円の壁は、うれしいことに失業手当は含みません。そのため、退職した時点でその年12月までの年収が103万円に満たず、年内は収入を得る予定がないのならば税法上の扶養に入るとよいでしょう。

失業手当をもらいながら扶養に入る

保険の扶養は、失業手当をもらいながら扶養に入ることはできません。しかし、税法上の扶養は異なります。税法上の扶養の要件は、その年の1月から12月までの収入が103万円以下であることですが、そこには失業手当が含まれません。

そのため、失業手当の額は非課税なので計算に入れることなく、単純に収入が103万円以下で納めることができるかを考えれば良いのです。もしも要件を満たしているようなら、税法上の扶養に、失業手当をもらいながら入ることは可能です。

失業手当をもらう際は扶養に入れるかどうかも確認しよう

失業手当をもらうほうが得か、扶養に入るほうが得か。手続きをする前に、それまでその年に得てきた収入や、これからもらうことになる失業手当の金額を確認しましょう。その金額により、扶養に入れるかどうか決まります。

また、扶養と一言でいっても、実は保険の扶養と税法上の扶養の2種類があります。入れる要件もそれぞれ異なるので、しっかりと把握していないと誤った申請をしてしまう可能性があります。その場合、あとから督促が来たり、無保険の期間ができてしまったりするので気をつけてください。

扶養に入れるかどうかで、数万円の節約になります。決して小さい額ではないのでしっかり確認しましょう。

公認会計士・税理士 伊藤 温志

開業8年で600社ものクライアントを有するエクセライク会計事務所の代表税理士。
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